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    KH assay kit ver.2 - 炭酸塩硬度測定試薬キット -(淡水用)


    商品概要
    Product summary

    用途:KH(炭酸塩硬度)の測定
    使用可能回数の目安:炭酸塩硬度5程度の場合、約50回。
    箱の大きさ:横 17 cm、高さ 4 cm、奥行き 4.5 cm
    発送:定形外郵便でも発送可能
    同梱物:
    ・KH測定試薬A(小さなボトル)
    ・KH測定試薬B(大きなボトル)2本
    ・試験管
    ・コルク栓
    ・スポイト
    ・マニュアル

    販売価格:900円(税込)



    数量




    商品の詳細
    Product details

    この商品は水槽内の水のKH(炭酸塩硬度、別名:アルカリ度)を測るための試薬キットです。
    最新のver.2のキットに付属の試薬ボトルには右の写真のように、
    「1滴 = 1dH」と記載されてあります。


    KHとは

    KH(ケーエイチ)とは、別名「炭酸塩硬度」と呼ばれ、カルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)と対を成して溶けている炭酸水素イオン(HCO3-、別名:重炭酸イオン)の量を指します。

    KHの値と、pHの値、水中のCO2(二酸化炭素)の量には非常に密接な関係があります。
    例えば、CO2の量が変化しない場合、KHの値が大きくなるほど、pHの値も大きくなりアルカリ性になります(なのでKHの別名はアルカリ度と呼ばれます)。逆にKHが下がるとpHも下がります。
    同じように、pHの値が変化しない場合、KHの値が高くなるほど、水中のCO2の量が増加します。
    実際には1つの値が変われば他の値も変わる、というように変動しています。
    この3種の値(pH, KH, CO2)はこのうち2つの値がわかれば計算によりもう一つの値を導き出すことが可能です。



    一般的にKHの値が大きくなるほど、pHの値も大きくなります。
    淡水魚飼育や水草水槽においては弱酸性の水質が好まれる場合が多いですが、だからといってKHの値が低いほどよいということにはなりません。
    KH(すなわち炭酸水素イオン)の持つ大きな利点の一つに、「緩衝作用を持つ」ということが挙げられます。「緩衝作用」とは、pHの大きな変動を抑える作用のことをいいます。
    KHがある程度の値を示すこと(すなわち炭酸水素イオンがある程度の量存在すること)で、多少の水質の変化ではpHが変わりにくくなり、環境の変化があまり起こらなくなることから生体や水草にとってストレスを与えにくくなるということにつながります。
    このようにKHは、水質維持における影の主役であるとも言えるのです。
    淡水魚飼育においては、2〜7dH程度(dHは炭酸塩硬度の単位)が最適であると考えられます。
    一方、海水魚飼育においては、6〜12dH程度が最適であると考えられます。KHが低いとハードコーラル等の生育状況に問題が生じたり、pHが下がりやすくなるという問題が生じます。
    その他のKHについてのより詳しい記事をここの一番下の「より詳しく」という部分に記載しましたのでそちらもご参照ください。




    試薬

    本試薬は、見やすい濃さになるように調製してあります。
    下の写真は他社の同等製品との比較です。



    このように、圧倒的な濃さで色の変化を見やすくしてあります。
    KH assay kitでは、最初に試薬Aというものを2滴加えたあとに、試薬Bというものを1滴ずつ加えていき炭酸塩硬度を測定します。
    試薬Bの1滴が硬度1dHを示します。
    試薬Bを加えていき、色が青色から黄色に変化した段階の滴数から硬度を算出します。
    下の写真は色の変化の例です。

    このように、非常に見やすく、詳細に測定できるようになっています。




    試薬キットの箱

    試薬キットの箱は黒く、かつシンプルにしてあり、水槽の周辺に置いても浮くことがないようにしました。
    箱の強度もできるだけ強く、そして開けやすいスライド式のものにしました。
    実際のところ、箱のフタは通常の上に開くような一体型のものの方がはるかに製作コストが抑えられるのですが、妥協はしておりません。
    長く使い続けてもらうものだからこそ、使いやすく、丈夫に。
    シンプルですが、箱に関しては最もこだわった点の一つとなっています。



    試薬容器

    試薬類は光に弱いものが多くあります。ですから、容器としては完全に遮光できる中身が全く見えない不透明タイプのものが、試薬にとってはベストと言えます。
    しかしながら、それですと全く残量が見えないという不便さもあります。重さから残量がわかる方はそれほどいないでしょう。
    そこで、試薬容器には遮光性も持たせつつ、中身もある程度見える容器を採用しました。
    これで突然、残りがなくなってしまい困ることも少なくなるのではないでしょうか。
    ただし、やはりしまう時は箱に入れ、光が当たらない環境に置くことを強くお勧めます。



    試験管

    測定用の容器としては試験管を採用しました。これはより測定を楽しんでいただけるようにという思いからです。
    水質測定は紛れもない化学実験です。実験気分を味わっていただければ幸いです。
    また、インテリアとしてもお部屋の片隅に置いてもらえればうれしく思います。
    試験管には測定の時に目安となる5mlの線を印しておきましたが、これはあくまでも目安にすぎず、また強く洗うと取れるようにしてあります。インテリアとして不用な際は洗い落としてください。正確な量は下記のスポイトで測り取ることでわかります(スポイトの方がはるかに正確な量が取れます)。
    試験管には、実際の実験現場で最もよく使われるJIS規格の15cm試験管を採用しております。



    スポイト

    キットに付属のスポイトは1回に1ml(ミリリットル)が測り取れるようになっています。
    測定には5mlの水が必要なので、このスポイトで5回測り取ることになります。



    マニュアル

    マニュアルはできるだけわかりやすく、図解で使用方法を解説してあります。
    また、基本的な情報もできる限り多く書き込みました。
    熱帯魚を飼い始めたばかりの初心者の方や、試薬測定をしたことがない方にも問題なく使用していただけるようにしたつもりですが、もしわからないことがありましたらお気軽に「お問い合わせ」からご相談ください。



    より詳しく

    ここではKHについてのより詳細な情報を記載いたします。

    KHは上にも記載した通り、カルシウムイオン(Ca2+)とマグネシウムイオン(Mg2+)と対を成して溶けている炭酸水素イオン(HCO3-)の量を指します。
    水中でのカルシウムイオンとマグネシウムイオンは炭酸水素イオン以外に、微量存在する硫化物イオン(SO42-、右図の左下のもの)などとも結合しています。
    したがって、GH(カルシウムイオンとマグネシウムイオンの総量)> KHというように、必ずGHの方がKHよりも理論的には値が大きくなります。
    実際の測定においては、カルシウムイオンやマグネシウムイオンと対になっているかどうかに関わらず、炭酸水素イオン(HCO3-)の量を測定しています。厳密な意味でのKHとは異なるため、場合によってはこの測定値を「アルカリ度」と呼ぶ場合もあります。
    炭酸水素イオンは右上図の右下部分にあるようにナトリウムイオン(Na+)とも結合している場合もあるため、実際にはGH > KHという構図が崩れ、KHの方が高くなる場合もあります。

    測定の原理は、炭酸水素イオンを含む測定対象の水に、酸(H+を含むもの)を加えていき、
    HCO3- + H+ → H2CO3
    という反応を起こさせ、炭酸水素イオンがなくなった時に色が変わるようにしておき、どのぐらいの量の炭酸水素イオンがあったかを測定しています。

    上の反応式にあるように、酸(H+を含むもの)を加えても、炭酸水素イオンがそれと結合して中和し、酸性に変化しにくくしています。これが「緩衝作用」というもので、このおかげで炭酸水素イオンがある場合(つまりKH値が高い場合)はpHの急激な低下が起こりにくくなります。
    ちなみに、KHの測定単位であるdHは、1 dHが28.9mg/lのCa(HCO3)2の量に相当します。

    最後にKHの値が2〜8 dH(海水の場合は6〜12dH)よりも大きくずれていた場合の対処法について記載します。
    まず、KHの値が大きすぎる場合ですが、KHは普通、時間と共に魚や水草(海水の場合は珊瑚や石灰藻)に吸収されたり、他の物質と反応して、低くなっていきます。時間がある程度経っても下がらないというような場合、淡水飼育では自宅の水道水の方が低いようであれば水替えをおこなうのが最も簡単な方法と言えます。
    他に淡水飼育の場合は、ピートと呼ばれる、川の底に沈む枯葉や流木などから染み出る腐食酸やタンニンを主成分としたもので水槽内の水を酸性化させ、KHを下げる方法もあります。ただし、このピートは水を茶色くするので好みが分かれるところでしょう。
    また、CO2を添加すると酸性側に傾きやすくなり、淡水の場合はそれに従いKHの値も下がりやすくなります。しかし、カルシウムリアクターのある海水飼育の場合はCO2を過剰に投与すると炭酸イオンが増えすぎてKHの過剰を引き起こしますので注意が必要です。カルシウムリアクターの稼働が過剰だとKHを急激に上げますので、調製が必要となります。過剰な高KHはコケの発生の原因になります。
    逆に、KHが低すぎる場合は、こちらも淡水の場合は水道水のKHがある程度の値を示す場合は水替えをするのが一番早い解決策です。
    海水の場合はカルシウムリアクターの導入あるいはメンテナンスが有効と考えられます。
    他に、淡水飼育の場合は添加するCO2の量を減らす、珊瑚や炭酸カリウム等の炭酸成分を含むものを入れる、という方法もあります。
    市販されているKHを上げる試薬、あるいは下げる試薬を用いる方法もあります。
    ただし、他の測定値に関しても言えることですが、理想とする値から離れていた場合でも、生体や水草が元気なようであれば、必ずしも現状の状態を無理に変える必要はないと思われます。
    生体や水草の調子を見て、必要と判断した場合に、各種の方法で水質を調整してあげるようにするのが理想と言えるでしょう。